早割リフト券、シーズン券の発売が続き、シーズンインまで残り2カ月。スキー場スタッフ募集の求人も増えてきている中、今シーズンの営業を中止したり、営業を縮小して運営するなど、各スキー場の方針が出始めています。
・ニセコグランヒラフ
https://www.niseko.co.jp/uploads/files/Niseko-Grand-Hirafu-2020-Winter-Operation.pdf
- 営業開始を2週間遅らせる
- ナイターでの滑走エリアを削減(約半分)
- リフトの稼働 12→7
- スタッフ 500人→300人
外国人比率が高い為、今シーズンはインバウンドの需要が見込めないと予想し、それに合わせた予算(目標)と営業の適正化を図った様です。
予算を低く設定すれば、それに伴いコストも削減しなければなりません。
過去、スキー場に勤務していたので改めて感じる事ですが、スキー場はランニングコストが大きすぎるのがデメリットの一つです。
大勢のお客さんが来るであろう週末や休日も、雨が降りバスツアーぐらいしかお客さんがいない日も、動かすリフト、営業するレストラン、パトロールするスタッフの数は基本同じです。
売上が高い日も、少ない日も、日々のランニングコストは一定(シーズンの始まりと終わりでは変化しますが)なので、元々の売上予算を低く設定する場合には、このランニングコストも低くしなければ利益を上げる事ができません。
設備を減らすことは難しいので、削りやすいのは人件費だと思います。
スキー場の規模にもよりますが、私がいたスキー場は社員が数十人で、冬季アルバイトを毎年300人程雇います。
人件費を削減するには、冬季アルバイトの人数を減らして運営することになります。
リフト1基につき3人スタッフが必要であれば、これを2人にすることは安全管理の点からも難しい為、その場合、動かすリフトそのものを少なくする必要があります。
ニセコの対応も、スタッフを削減すればそれに伴い稼働リフトも減ることになります。
ナイター営業の位置づけもスキー場にとって代わってくると思われます。
ナイターをして、どれだけの入込があるのか?
毎日一定数の来客が見込める場合は、黒字運営となるかもしれませんが、一定のランニングコストに対し、ナイターだけでは利益が薄いのではないかと思います。
ナイターを行う目的には、宿泊客へのサービスの一環であったり、夜も営業している、いつでも滑れる等のイメージ的なアピールの一環としての側面もあると思うので、純粋に利益を上げる為だけで運営している所は少ない気がします。
営業開始を2週間遅らせることもすごくわかる気がします。
12月の頭、中旬からオープンするスキー場が多いと思いますが、その時点では入込も少ない為、利益が取れない、薄い日が多いと思います。
12月のクリスマス周辺の連休から年末年始、年明け、成人式、連休とこの辺りまでが最初のピークとなります。
(年末年始は劇混みのイメージですが、12月31日、1月1日は意外に空いているのでオススメです。1月2日、3日、3連休のなか日はアウトです)
その為、オープンを送らせることもコスト削減には効果的だと思います。
春先の営業終了に向けての時期も同様に、利益が薄い、もしくは赤字となる事も多いです。
どれだけ長い期間オープンしているかはスキー場のアピールポイントでもあるので、利益が取れないからすぐにクローズするという事は無く、細々と営業を続けることになります。
(アルツ磐梯のように雪が豊富に残っていても3月末でクローズするスキー場もありますが)
・アルツ磐梯スキー場
- 2021シーズン ゴンドラ運休
アルツ磐梯スキー場のゴンドラが今シーズンは運休が決まりました。
通常ゴンドラは山の上まで一気に上がるためのものですが、アルツのゴンドラはメインゲレンデに繋がっておらず、初心者コースの頂上に行く為のものです。
そのため、メインゲレンデを滑る人にとってはあまり影響はないだろうと思います。
・八方尾根スキー場
HAPPO BANKS 運営終了のお知らせ | 白馬八方尾根スキー場
- HAPPO BANKS終了
八方尾根スキー場の名物コースのHAPPO BANKS。
大きな半円状のボウルが連なるコースで、気軽に壁を楽しめることができる反面、コースの維持が大変だろうなといつも思っていました。
コースの終了はコロナというより暖冬が一番の影響だとは思います(昨シーズンは雪不足により営業できず)が、残念です。
・新保ファミリースキー場
・今庄365スキー場
- コロナウイルスの為、2021シーズン 営業休業
福井県にある2つのスキー場ですが、今シーズンは営業をしないことが決まりました。
元々、新保ファミリースキー場は市町村が運営しているスキー場でここ3シーズンは雪不足で営業できていないスキー場なので、今後もオープンする事は難しいのではないかと思います。
今庄365スキー場は契約期間を残してマックアースが撤退し、次の運営会社がまだ決まっていない事も影響してか、今シーズンの営業中止が決まりました。
コロナの影響で外国人が日本に入国できない事から、今シーズンの営業予算を修正し、それに伴った対策を講じるスキー場が今度も増えて来るのではないでしょうか。
営業範囲の縮小が今後のスキー、スノボ離れに繋がらない様、GOTOトラベルなどをうまく活用してスキー業界が盛り上がっていく事を期待します。