会社を辞め、長野に移住し3年半が経過、昨年は目標だった起業し、個人事業主としての生活もスタートさせることができました。
移住を検討している方への参考になればと思い、仕事、お金、地方での生活について移住のリアルな面も含めてご紹介したいと思います。
①脱サラ編 会社を辞めようと決意するまでの経緯と流れはこちら ↓
②移住編-1.2 移住先をどのように決めたのか?はこちら ↓
③仕事編-1.2 移住先での仕事、収入、お金に関してはこちら ↓
今回は起業した経緯、内容について紹介したいと思います。
④起業編-1 ースキー場ー
移住した目的の一つが自分で起業して個人経営主となることでした。
子供の頃からいつかは自分が社長となり、自分の手で金を稼ぎたいという想いがありました。
「起業して会社を立ち上げる」
というのは資金とリスクが大きいので、自分一人でできる範囲での起業ができないかと考えていました。
なので起業というよりは、個人経営主となり事業を始めるというイメージです。
何で起業するのか?
考えた時、一番興味があるのはスノー業界でした。
大学時代は4シーズンスキー場でリゾートバイト、その後スキー場に就職。
スノーボードも25年続けており、一番自分にとって身近で知識・興味があることがスキー場業界でした。
移住して2シーズンスキー場でアルバイトをしていましたが、そのスキー場では「そり」を無料で貸し出していました。
無料で貸し出すなんて商売っ気の無いスキー場だなと感じていました。
普通のそりを無料で貸すのではなく、いろんな種類のそりを用意して有料で貸し出せばいいのになと感じていました。
- 今スキー場に足りていないサービスがそれではないのか?
- それだったら自分でそりを用意して、有料で貸し出せばいいのでは?
そりのレンタルなら初期投資も抑えられ、失敗してもリスクが低いはず。
そりのレンタルを始めてみては?という所が起業のスタートとなりました。
そりをレンタルしてどれくらい稼げるのか?売上予測を立ててみます。
仮にそり1台を500円で貸し出すとします。1日に10人客が来て1カ月で計算すると、
そり料金×人数×日数 ¥500×10人×30日=15万円
月15万の売上ではスタッフのバイト代にすらなりません・・・
そりだけでは売上が見込めない為、商品数を増やす必要があると判断。
- 高価格帯のそり
- 子供用のスノーシューズ
- 雪遊び道具
- スキーの補助道具
- GoPro
- 自撮り棒
- モバイルバッテリー
子供が手ぶらできて、そり・雪遊びができる商品を揃えたらいいのでは?
グローブや帽子など直接肌に付けるものはコロナ感染リスクが高いので貸出しはできないが、スノーシューズならいけそう。
GoProの持込も多く、購入前にレンタルして使用感を掴みたい人、動画を撮影したい人等のニーズがあるのではないか?
GoProの自撮り棒はスマホにも使えるので、関連商品もニーズがあるのでは?
このように仮説と客層を想定し、商品のラインナップを決めていきました。
レンタル以外でも売上を見込めるサービスはないかと考えていると、
「ホットワックス屋はありませんか?」とたまにお客さんに聞かれる事を思い出しました。
春先で気温が上がった時や新雪が積もった時は板の滑りが悪くなります。
白馬に滑りに来るようなレベルの人は自分でホットワックスをする人が多いのですが、かけるのも、はがすのも手間がかかります。
そのため、ホットワックス屋があれば客に喜ばれるのではないかと思いました。
スキー場の一角にテナントを間借りし、そりとGoProのレンタル、ホットワックスこの3点をメインとした店を来期出そうとバイトをしながら勝手に決定。
アルバイトをしながらスキー場の中を観察し、導線、人の流れ、スペースなどを見比べて出店エリアを絞っていき、目途を立てます。
アルバイトも必要になるので、信頼できるスタッフに声をかけ人も仮押さえします。
(来シーズンの話、かつこの時点では何も決まっておりません・・・)
社員の方に出店したい旨と内容を説明すると賛成して下さり、上の者に話してみるとのこと。
提案書を作成し提出しました。
アルバイトを続けながら並行して起業の準備をスタート。
来年はバイトではなく自分の店で働くぞ!と決意を固めシーズンを終えました。
それから4カ月後、スキー場側から連絡が来て部長を交えて話がしたいとのことで、プレゼンの機会を頂きました。
プレゼン当日パワーポイントにまとめた資料で内容を説明します。
おおむねいい感じの反応ですが、一点だけ確認が必要だとのこと。
それはホットワックスに関してでした。
スキー場にはチューンナップショップがテナントで入っており、そこでもホットワックスをしています。
先方は専門店の為価格は高め、こちらは早くて安い簡易的サービスで1,500円を設定していたので、客層が違う為客は被らないと予想していました。
むしろ高価格・低価格と選択肢が増え、顧客ニーズを満たすことができると考えていたので、そこが引っかかるとは予想していませんでした。
案の定、先方からNGが来て結局ホットワックスは見送りとなりました・・・。
ホットワックスができないと売上がかなり減少します。出店を諦めようかと考えていると、スキー場側から新たな提案を頂きました。
契約上の事があるので詳細は説明できませんが、スキー場の一部サービスを業務委託するという話です。
業務委託なので、運営はこちらで行います。
必要なスタッフを雇用し賃金を支払います。
スタッフの賃金等を含めた費用と契約金の差額が利益となります。
業務委託のメリットは契約金でまとまった額を受け取ることができます。その為日々の売上に左右されず、経営を安定させることができます。
出勤時間×スタッフ数×営業日数×時給でスタッフの賃金を予測。
シーズン中の費用総額を計算した所、利益が出せると判断し業務委託を受けることにしました。
スキー場と条件面の交渉を繰り返し、契約書を締結、業務委託と出店が正式に決定。
移住後3年が経ちようやく起業するという夢が実現し、個人事業主としてのスタートを切ることができました。
2021年12月半ばから4月前半まで約110日の営業を無事終える事ができました。
- 募集をかけてもスタッフが確保できない
- スタッフがコロナ感染
- 緊急事態宣言による客足の減少
- 売上の減少
スタッフがコロナに感染し110日の間で2日間しか休みがとれず、予想以上に滑りに行く時間がとれませんでした。
来年また同じことをやれと言われても多分断るだろうと思います。
それ程過酷な環境でした。
想定外の事もたくさん発生しましたが、やるしかない状況に追い込まれれば何とかなるもんだと実感しました。
営業面では人件費を抑えた結果(自分の出勤時間を増やして調整)、ある程度の利益は確保することができました。
起業1年目、一つ目の案件としては満足しています。
起業する前、自分で仕事を立ち上げるのは超大変だと思っていました。
その為個人事業主の人は全員尊敬していましたし、どうやってその仕事を始めたのか?きっかけやいきさつを知りたいと常に思っていました。
今回長々と詳細を記載したのは、自分がそういった経緯を知りたかったからです。
起業を考えていない人にとってはどうでもいい内容だと思いますが、起業を考えている人にとっては参考いただけるのではないかと思います。
普通にバイトをしている環境でも、視点を変えるだけで新たな仕事を作り出す事ができました。
開業届を出す、人を雇う、労働保険、確定申告、全部めんどくさそうな事ですが、一つ一つネットで調べて対応すれば、思いの他簡単にできました。
起業するのはハードルが高そうに感じますが、以外に簡単でした。
人に雇われているだけでは日給・時給×時間でしか稼ぐことはできません。
自分で仕事を立ち上げれば、収入を増やすことは自分次第。
(その分リスクも負います)
起業に興味がある方、挑戦してみてはいかがでしょうか?
起業案件 第二弾
「ホタルSUPツアー」
こちらに関しては今後紹介していきたいと思います。