長野県白馬村にある岩岳マウンテンリゾートの社長、和田寛氏の本が2022年11月14日に発売されました。
ホームゲレンデとして毎週滑っている岩岳スキー場、スキー場に就職し働いていた身としては、非常に興味があり発売を楽しみにしていました。
届いて1日で読了、岩岳スキー場がなぜあれだけ勢いがあるのか?
この本を読むとその理由がよくわかると思います。
私は過去に某スキー場に就職し、アルバイトを含めると10年近くスキー場に携わってきました。
その為、共感できる部分が非常に多く、特にスキー場関係の方は読むと参考になる部分が多いと感じますし、読むべきだと思います。
読み終えて改めて岩岳の一番凄い所は、グリーンシーズンの入込がメインの冬を超えたという点です。
冬に稼いで、一年乗り切る。
スキー場はメインの冬にどれだけ売り上げを上げられるかが勝負です。
20年前、今よりスキー場が盛り上がっていた時代、私が勤務していたスキー場では、シーズンで一番多い時には1日で1万人を超える入込がありました。
駐車場は満車となり、スキー場への道は行きも帰りも数キロにわたり大渋滞、リフト券を買うにも、リフト待ちにも1時間以上かかるという具合です。
年間での来場者は30万人程度ですが、夏と冬の割合は9:1ぐらいだったと思います。
岩岳の場合、入込が落ち込む夏(グリーンシーズン)に、冬を超えました。
これがいかに凄い事であるか?ありえない事です。
私がいたスキー場でもグリーンシーズンには、マウンテンバイク、パラグライダー、バーベキュー、レストラン、温泉などを稼働し、プラス夏休みには様々なイベントを開催し集客に努めていました。
冬はお客さんが来ない日はありませんが、夏は平日だったり、天候が悪いとお客さんが一人も来ない日もあります。
それでも店を開け、バイトのスタッフを呼んで準備はしなければなりません。
グリーンシーズンにどれだけ入込を増やせるか?スキー場にとっての死活問題でした。
岩岳も似たような状況?だと感じましたが、そこから今の状況に僅かな年数で劇的に変える事ができた。
和田社長の指導力もさることながら、その過程や取組、努力が素晴らしいと感じましたし、それらが結果となって今の集客に繋がっているんだと納得しました。
度々このブログでも紹介させていただいている、北アルプスの絶景が見られる「マウンテンハーバー」や「巨大ブランコ」。
「マウンテンハーバー」
「巨大ブランコ」
マウンテンハーバーから見る北アルプスは絶景です。
ニュージーランドのトレブルコーンから見た景色も凄かったですが、ここからの景色はそれを超える感動があります。
マウンテンハーバーは、カフェが併設されていますが、カフェを利用しなくても無料で楽しめるので気軽に行く事ができます。
話題性のある施設や取り組みなど、利用者目線で楽しませる仕掛けや工夫についても、どういった背景や問題があり、どのように改善して今があるのかがよくわかります。
読み終えたのでメルカリで売ろうと思っていたのですが、この本は本棚に残すことにしました。
個人的には今年読んだ本の中では、一番参考になった本、何度も読み返したいと思います。