私は過去に6回転職しましたが、その内2回は転職サイトに登録し、サイト経由での転職でした。
その中の一つ、転職サイト大手の「リクナビネクスト」を利用して、転職した事例をご紹介します。
「リクナビネクスト」を利用して転職したのは10年程前になりますが、当時から転職と言えばリクナビという感じの存在でした。
リクナビは登録した条件に合った企業からどんどんスカウトメールが届きます。
もちろん条件に合った内容ということで送られてくるだけなので、スカウトメールが届いても、実際にエントリーしたら書類で落される事もたくさんあります。
書類が通って面接確約のスカウトメールも来るのは来ますが・・・
応募のしやすさも魅力の一つでした。
例えば、「製薬会社」で検索すると、製薬会社関連の求人が一覧となって出て来るので、片っ端から応募していきます。
ほとんどが書類で落されますが、ダメ元で気軽に応募することで応募数が増えていくと、書類を通過し面接まで進める事も増えていきました。
面接に臨んだ会社の数は10社以上となりました。
面接一回で内定が出る会社もあれば、1次、2次、最終面接と3度も東京にまで面接に行った結果だめだったことも。
最終的には3社から内定を頂き、そのうちの1社に入社することができました。
ここからは、リクナビネクストを利用して転職した経緯、活用方法についてご紹介します。
大学卒業から3年、当時25歳の私はスキー場に就職し働いていました。
仕事は面白くやりがいも感じていましたが、労働環境の悪さと賃金の低さがネックでした。
仕事の内容と給料が見合っていないと転職を考えだした頃、今すぐにどうこうという訳ではないまま、とりあえずリクナビに登録しようという感じで転職活動をスタート。
ある日、結婚式に参加し大学の友人と再会、その友人が勤めていたのが、製薬会社のMR(営業)という仕事でした。
大学卒業して3年、その製薬会社に勤める友人は私の給料の2倍を貰っていることを知り、衝撃を受けました。
仕事ができるタイプでは無い(学生自体のイメージから)その友人、彼に務まるなら自分にもできるはずだと勝手に思い込み、「製薬会社に転職してMRになる」と決めました。
平均年収が高いという理由だけで転職先を製薬会社に絞り、求人が出ている全ての製薬会社に応募しましたが、当然ながら書類が通るはずも無く・・・
そんな中、とある製薬関連企業で奇跡的に書類が通り面接まで進むことができました。
製薬関連企業、希望していた製薬会社ではありませんでした。
業界ではCSOと呼ばれている会社です。
CSO(Contract Sales Organization)とは、製薬企業にMR(営業)を派遣する企業のことを指し、日本語で「医薬品販売業務受託機関」といいます。
つまり製薬会社ではなく、CSOの企業に入社した後、依頼のあった製薬会社へMR(営業)として1年ごとの期間限定で派遣されるという仕組みで、営業専門の派遣会社というイメージです。
その為、製薬会社ではなく別の業態にはなりますが、働く内容は製薬会社の営業と同じというこの業界独特の営業形態になります。
そのCSO最大手の企業の面接へ進む事ができたのです。
「ここに受かれば製薬業界で働くことができる」と気合を入れて面接に臨みましたが、そこで言われた事が、
「営業経験が足りない、このまま何社受けても製薬会社に転職できないよ」
という一言・・・。
前向きな姿勢やコミュニケーション力など、ポテンシャルな部分は評価して貰えた一方、圧倒的に足りないのは、営業・営業マンとしての知識と経験でした。
今まではスキー場でショップやメーカーの担当者から営業を受ける側の立場、より良い条件を引き出す交渉はしてきましたが、営業をかける、こちらから何かを提案することは未経験だったので当然の結果です。
この現場での営業経験が無いと製薬会社で働くことはできない、とはっきり言われたのです。
今から振り返ると、この一言が人生を変えるきっかけとなりました。
「営業経験が足りないのであれば営業経験を積むしかない」とここで大きく方針を転換し、転職先を「営業職に就いて営業を学べる会社」に変更しました。
遠回りになっても、まずは「営業経験を積み、その後再び製薬会社へ転職する」というプランを立て、方向性が明確に決まったことは非常に大きかったです。
- 営業未経験でも募集可能
- 営業を基礎から学ぶことができる
- 自社の商品がある製造メーカー
この条件に該当する会社に応募を続けました。
今までは製薬会社というハードルの高い業界への応募で、ひたすらエントリーしても書類を通る事は少なかったのですが、中小企業へランクを下げると、面接へ進める回数が増えました。
その結果、最終的には3社から内定が出ました。
その中で、最も営業経験が積める会社を選び、入社する事にしました。
飲食関連の製造メーカーで、商品を仕入れて販売するのではなく、自社工場で製造から販売まで一貫して行うスタイルで、より営業として学ぶべきポイント多かった点。
製品を販売、アフターフォローもしながら、飲食店の開業支援や販売促進にも関わるコンサルティング的な側面も学ぶことができ、この2点が入社を決意したポイントでした。
営業部の上司や同僚も、営業未経験の私に営業のイロハを一から丁寧に教えて下さったこともあり、営業として経験を積む事ができ、この時の経験が今でも生きています。
転職して1年半が経ち、営業についての仕事を理解し始めたこともあり、当初のプラン通り製薬会社への転職活動を再度スタートすることに。
すると、リクナビ経由ではなかったのですが、応募した製薬会社から面接の連絡が来ました。
あれだけ通らなかった書類があっさり通り、製薬会社としては初めての面接です。
面接対策として、聞かれるであろう想定質問集、それに対する回答を書き込んだ面接Q&Aを作り込み、丸暗記するぐらいロープレを行いました。
今回の面接で意識した事は、
- 営業経験が足りないと言われ製薬業界以外に転職した事
- 営業経験を積んだ後、製薬会社へ転職予定だった事
- 製薬会社へ転職する為、何が必要かを逆算し行動した事
この点を論理的に、矛盾が無いよう面接官に伝える事を意識しました。
その結果、念願の製薬会社から内定を貰い、MRになることができました。
あれだけ書類も通らなかった状況から、2年遠回りし営業経験を積み、再開した転職活動。
活動再開後、1社目で製薬会社から内定が出るという奇跡的な展開となりました。
こうして憧れだった製薬会社へ入社しMRとして働きつつも、より大きな会社や扱いたい医薬品のある会社へと転職を行いました。
いずれの面接時にも、遠回りした2年間を経て製薬業界に転職したエピソードの効果は絶大で、どの面接官も納得していました。
最終手には6回転職しましたが、なぜ転職回数が多くなったのか?転職した理由が明確で、退職した理由と整合性があり、転職した事で得られたメリットなどを相手が納得できれば、転職回数の多さは全く不利にならないということが解りました。
むしろ、チャレンジ精神が高い、6度職場が変わっても営業成績が良いいのは、高いコミュニケーション能力があるからだ、積極的な性格だ、みたいな感じで評価してくださる方も多数おられました。
なので、転職回数が多いから、30代・40代だからと転職を諦めている人がいたら、面接次第で評価を覆すことは大いにできると思います。
転職に不安を感じている、諦めている人にこそリクナビのような転職サイトは活用すべきだと思います。
- 応募を続け、なぜ書類が通らないのか?
- 原因を探り、改善する
- 面接官に言われたことを受け入れ、プランを見直す
- プランを決めたら、実行する
まさに一人「PDCA」状態です。
PDCAとは、ビジネスで良く出て来る言葉ですが、営業の仕事の中でも実践していて、とても理にかなった事だと体感しています。
- P:Plan プラン(計画)
- D:Do ドゥ(実行)
- C:Check チェック(評価)
- A:Act アクト(改善)
このサイクルを回し続ける事で、仕事が効率的で、失敗を成功の基にすることができ、非常に役立ちました。
転職サイトを上手く活用できれば、
- 自分の置かれているポジションを知る
- 何が足りないのかを把握する
- 足りない部分を補うよう行動する
- 行動を振り返り修正する
応募先が適切か、実力とかけ離れていないか、どのラインが適正なレベルか、今はだめでも、数年後にどうしたいかなど、漠然としていた転職を具体的な物としてとらえて行動する事ができるようになります。
転職サイトを上手く活用する事で転職が成功し、企業とのやり取りの中で様々な気付きも得る事が出来、満足な活動をすることができました。
転職するなら転職サイトを活用する事をお薦めします。
以上、リクナビネクストで実際に転職した実例を紹介しました。
次回は、転職エージェントを利用して転職した実例をご紹介したいと思います。